国家公務員給与を2012年度から2年間、平均7.8%削減する特例法案が23日の衆院本会議に緊急上程され、与野党の賛成多数で可決されました。参院での審議を経て月内に成立する見通しです。削減分の約5800億円は東日本大震災の復興財源に充てられます。
民主、自民、公明の3党提案の同法案は、国家公務員給与の平均0.23%引き下げを求めた今年度人事院勧告(人勧)を昨年4月にさかのぼって実施した上で、12年4月から14年3月まで人勧を含め平均7.8%の給与削減を行うもの。地方公務員の給与については、法案を一部修正し、給与削減の趣旨を踏まえて地方自治体が「自主的かつ適切に対応されるものとする」との付則が盛り込まれました。
自衛官については、東日本大震災での活動を踏まえ、政令で削減の開始時期を半年間猶予する。また検察官や裁判官も給与削減の対象とします。
本会議に先立つ衆院総務委員会で公明党の西博義議員は「政府が人事院の勧告を無視し、一部の組合との合意だけをもって強引に進めようとして、今回のような大混乱を起こした」とし、「人事院勧告が提出された段階で、政府の方でもう一度考え直さなければならなかったのではないか」と厳しく批判。その上で、現行制度が続く場合、来年度の人勧も尊重されるべきだとの考えを示し、提出者の見解を求めました。
法案提出者である私は答弁で、「12年度に人事院勧告が出された場合、これに対して尊重すべきなのは当然であると考えている」と答えました。
さらに西議員からは、国が緊急事態や深刻な経済情勢などに直面した場合、公務員の給与改定方法に関するルールがないことを挙げ、「国のルールを今後しっかりと検討すべきではないか」と訴えました。
これに対し、川端達夫総務相は「国家公務員の制度改革関連法案を出している。緊急的なものにも柔軟に対応し得る制度であるはずだ」と答えました。